深い悲しみ deep sorrow 2005 9 1
8月下旬に、アメリカ南部を襲った巨大台風による犠牲者が、
「100人を超える」という報道がありました。
このような悲劇に対して、深い悲しみを感じます。
アメリカ南部は、信仰が堅い人々が、多いと聞きます。
「神よ、神よ、なぜ、私たちを見捨てたのか」と祈る前に、
思い出すべきことがあります。
ヨブ記 Job 2004 1 18
聖書には、「ヨブ記」というものがあります。
この「ヨブ記」を短くまとめれば、こういうことです。
信仰は、試される。
招かれる者は多いが、選ばれる者は少ない。
「ヨブ記」
ある日、主の前に、神の使いたちが集まり、サタン(悪魔)も来た。
主は、サタンに言われた。
「お前は、どこから来た。」
「地上を巡回しておりました。ほうぼうを歩きまわっていました」とサタンは答えた。
主は、サタンに言われた。
「お前は、わたしの僕ヨブに気づいたか。地上に、彼ほどの者はいまい。
無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。」
サタンは、答えた。
「ヨブが、利益もないのに、神を敬うでしょうか。
あなたは、彼とその一族、全財産を守っておられるではありませんか。
彼の手の業をすべて祝福なさいます。
お陰で、彼の家畜は、その地に、あふれるほどです。
ひとつ、この辺で、御手を伸ばして、彼の財産に触れてごらんなさい。
面と向かって、あなたを呪うにちがいありません。」
主は、サタンに言われた。
「それでは、彼のものを一切、お前のいいようにしてみるがよい。
ただし、彼には、手を出すな。」
サタンは、主のもとから出て行った。
以下は、気の毒なことなので、省略しますが、
悲惨なことが、そして不幸なことが、次々と、ヨブに襲いかかりました。
しかし、ヨブは、こう言ったのです。
「わたしは、裸で、母の胎を出た。裸で、そこへ帰ろう。
主は与え、主は奪う。
主の御名は、ほめたたえられよ。」
このような時にも、ヨブは、神を非難することなく、罪を犯さなかった。
また、ある日、主の前に、神の使いたちが集まり、
サタンも来て、主の前に進み出た。
主は、サタンに言われた。
「お前は、どこから来た。」
「地上を巡回しておりました。ほうぼうを歩きまわっていました」とサタンは答えた。
主は、サタンに言われた。
「お前は、わたしの僕ヨブに気づいたか。
地上に、彼ほどの者はいまい。
無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。
お前は、理由もなく、わたしをそそのかして、彼を破滅させようとしたが、
彼は、どこまでも無垢だ。」
サタンは、答えた。
「皮には皮を、と申します。
まして、命のためには、全財産を差し出すものです。
手を伸ばして、彼の骨と肉に触れてごらんなさい。
面と向かって、あなたを呪うにちがいありません。」
主は、サタンに言われた。
「それでは、彼を、お前のいいようにするがよい。ただし、命だけは奪うな。」
サタンは、主の前から出て行った。
サタンは、ヨブに手を下し、頭のてっぺんから足の裏まで、
ひどい皮膚病にかからせた。
ヨブは、灰の中に座り、素焼きのかけらで、体中をかきむしった。
彼の妻は、
「どこまでも無垢でいるのですか。神を呪って、死ぬ方がましでしょう」と言ったが、
ヨブは答えた。
「お前まで、愚かなことを言うのか。
わたしたちは、神から幸福をいただいたのだから、
不幸も、いただこうではないか。」
これを、単に、物語だと思うのでしょうか。
ヨブの時代だけだったと思うのでしょうか。
しかし、歴史を振り返れば、
ヨブと同じことが、繰り返し、起きていたのです。
主とサタン(悪魔)との会話。
そして、サタンの、人間に対する試み。